大学院でスパッタリングの手法で作成した薄膜について検討している。
もちろん真空蒸着も。
フラッシュメモリや太陽電池などにも使われる技術。
文系が憧れるような「THE・理系」と思われるような研究をしている。
装置内を真空ポンプを用いて真空にした後、アルゴンガスで満たす。
その後高い電圧をかけることでアルゴンガスをプラズマ化させる。
そのプラズマで金属ターゲットを叩き、その浮遊した金属をガラス基板に堆積させサンプルの完成だ。
諸物性を確認する。
目に見えない量子力学な世界。
ロマンだ。
自分は高い専門性がある訳だからこれを活かして、薄膜生成関連の研究者として活躍したい!
…とはいえ本当にそれでいいのだろうか。
今の研究は面白い。
でも自分には正直この道しか選択肢がない。
というか選択肢があるのかないのか、それすらわからない…。
そんなあなたへ。
けっこうあるあるだと思います。
理系の学生って多くの人が研究を活かした道に進もうとしますよね?
実際僕も昔会社でそういう人いました。
その人に就活した会社名を聞くと、やたらと大手が並ぶんですよ。
なぜか聞いたら「自分がやっていた研究内容をしている会社がその数社しかなかった」と言うのです。
結局内定は得ているので文句はないですが、もったいないなあという印象でしたね。
新卒の就活なんて可能性は無限大ですのでどんな方向にだって進むことはできますよ?
生産技術、品質保証、営業などなど。
もちろん院卒だってそうです。(ちなみに僕は修士課程卒です)
また、学生の本業は勉強であり、そしてかつ理系ですのでガクチカの議題は研究内容をチョイスすることを僕はおすすめしています。
ではそれらに関して考えていきます。
その前にそもそもガクチカとは何か?
なんかなんでもかんでも略しますよね…。
下記にて説明します。
ご覧ください。
Contents
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」
こちら参考記事です。
就活の定番「学生時代に頑張ったこと」 – dodaキャンパス
よくガクチカってサークル活動だったりボランティア活動。
それらを話すことが定番と言われますよね。
理系院卒でも学業以外のガクチカを聞かれるケースもありますので、少し頭に入れておかなければなりません。
記事にもある通り、内容は特別問題視されません。
要は「ものごとに対してどのように考えて行動しているか」という話です。
実際僕はコンビニアルバイトの内容をガクチカとして話し、結果として内定を得た経験があります。
学生時代の事柄なんて企業からしたらなんとも思っていないのですよ。
会社に入社した後どれくらい成長する伸び代を持っているのか、それだけですよ。
それではこのガクチカを用いて半導体の研究をしている方の一般的な進路はどのようなものなのか?
ちょっと考えてみましょう。
あなたが就職する半導体メーカーはどこか
そもそも半導体って、導電体と絶縁体の間の大きさの電気抵抗である素材を表した言葉なんですよね。
これをどのように使用しているかで業界変わりますよ…。
フラッシュメモリ…マイクロンメモリ、東芝メモリ
太陽電池…シャープ、京セラ
有名どころですとこのへんです。
他にもたくさんあるかもしれませんが、この数社はターゲットになってくるかと思います。
比較的採用数は多いので、この記事を読むような意識高い系の方はどれかには内定をもらえるのではないでしょうか?
大学院まで出ていればどこの大学でも十分視野に入ってくると思いますよ。
では入社した後の仕事のことを想像して、お話ししていきます。
配属の話です。
下記ご覧ください。
半導体の研究のをしていても、必ずしも似たような仕事につけるわけではない
大手企業になると高学歴や大学院卒はざらにいます。
そしてそれと比例して半導体の研究を経験している人間もたくさんいるはずです。
メジャーで人気のある研究の一つですからね。
そのことから、あなたのような考えの方はたくさんいるということが予想できます。
大学院での半導体の研究と似たような内容について、就職しても研究をしてみたいという方です。
考えてみてください。
全員が太陽電池の研究に着手できると思いますか?
太陽電池の技術者なんていくらでもいますよ?
そもそもその部署で毎年新卒を欲しがっているかもわからないですし。
以上からあなたが就職した後、学生時代と似た内容の半導体の研究ができない可能性は多々あるということになると思います。
「それなら大学院での研究はなんの意味もないじゃん!?」
そう考える方も多いはずですが、それは違います。
そのことについて。
下記からご覧ください。
半導体の研究といっても他にも学んでいることはあるはず
もちろん半導体はあなたにとって大きな大きな武器の一つです。
ですが半導体の研究をしてあなたが得た知識や経験は半導体についてだけですか?
バンドギャップやpn接合などの小難しい知識だけでしょうか?
僕は違うと思います。
半導体の知識だけでは絶対に研究は良い方向には進みません。
僕もスパッタリングの経験があり、その実体験について少しお話しします。
スパッタリングをする上で装置内を真空状態にするという工程は必ず必要になってきます。
ですが研究をしていく中で真空がひけなくなってきました。
真空がひけなくなる現象の原因はいくつかあります。
特に起きやすい現象としては
・フランジ部からの漏れにより真空がひけなくなる。
(パッキンがずれていたり、髪の毛がはさまっていたり、ボルトが均等にしまっていないことが要因と考えられる。)
・油拡散ポンプへの空気侵入による性能低下により真空がひけなくなる。
(操作手順ミスや、フランジ部からの漏れにより油拡散ポンプに空気が侵入する。)
学部生と直近の状況に関して話し合った結果、この設備の油拡散ポンプの油の交換を実施していたことが判明。
もし油拡散ポンプに空気が侵入していた場合、再度油の交換をする必要があるので以下のことを確認しました。
ポンプを取り付ける際に確認することとして、
・パッキンにずれがなく、きちんと取り付けができているか。
・髪の毛が付着していないか。
・横着せず対角線状に増し締めをしたか。
・手順書通りの順序で真空を扱えているか。
これらを徹底しました。
結果修繕後、問題なく真空をひくことができました。
そしてその後のサンプル作製も滞りなく行えるようになり、研究を円滑に行えるようになりました。
結果として学べたことは下記となっています。
・真空工学、真空ポンプの基礎知識。
・機械保全の基礎知識。
・後輩をまとめてものごとを成し遂げる経験。
実体験の一例としては以上となりますが、あくまでこちらは一例であり、他にも様々なことを僕は学びました。
ですが上記の内容だけでも、半導体の以外でも企業で利用できる知識・経験ではないかと考えます。
実はこの内容は就活時代に僕が使用したものです。
志望職種は生産技術でした。
電気科出身でしたので企業からはとてもウェルカムな印象を受け、そのまま内定を勝ち取っています。
そしてさらにこのことからもわかるように、「研究タイトルをそのまま就活に活かす必要は全くない」ということ。
僕の場合は材料知識的な部分よりも、設備に関してアクセクしたことに対して評価していただいているわけですので。
こんなアプローチの仕方もあるのだよ、という例として認識していただければ幸いです。
以上から大学院で半導体の研究をしたからといって、それ以外にも十分学び、そして就活で武器とする経験は得られることがわかっていただけたと思います。
ぜひこの記事を参考に、自分が学生時代に学んだことを広くとらえて様々な自分の可能性を模索してもらいたいと思います。
それでは。
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ここまで記事を読んでくださりありがとうございました。
きっとこれからガクチカを書くことを検討されているかと思います。
ですが実は問題がありまして…。
このブログでは僕のガクチカの話しか書いていないのです。
実際書くとなったら僕のガクチカ話だけでは勉強不足かもしれません…。
すみません。
株式会社DYM【就活ノート】では、他の方のガクチカも掲載されているのでそちらご覧ください。
ではあなたの成功をお祈りしております。
それでは。
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